Announcements
The 10th meeting of SMTJ Tokyo branch
25. March 2012
関係者各位
例年よりも遅く東京は桜がようやく散り始めました。みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
シューベルト《冬の旅》特集2回目の第10回東京例会のお知らせです。
午前は、研究会メンバーによる《冬の旅》の演奏。午後は、ギリシャ神話の壮大なスケールのスペクタキュラーな裏物語が隠されていたことを解明する発表と、19回例会の島岡先生の発表の続きです。
みなさまの奮ってのご参加をお待ちしております。
なお、当日資料準備のため、ご出席の場合はご一報いただければありがたく存じます。
また研究会終了後、「シュベール国立店」で行なわれる懇親会は毎回議論が白熱しております。
こちらからのご参加も歓迎いたします。
★★★ 日本音楽理論研究会第20回例会のお知らせ ★★★
日時: 2012年5月13日(日)10:30-17:40 (10:10 受付開始)
会場: 国立音楽大学AI(アイ)スタジオ (JR国立駅南口下車、国立音楽大学付属幼稚園地下)
〒186-0004 東京都国立市中1-8-25 TEL: 042-573-5633
参加費: 一般¥2000/学生¥1000 (午前・午後通し)
――続・詩と音楽から読み解くシューベルト《冬の旅》――
■ (10:30-) 特別演奏: Schubert 《Winterreise》 ソプラノ独唱: 小川えみ ピアノ: 見上潤
■ (13:30-) 「シューベルト『冬の旅』の裏物語--冥界のヘルメス」 浅田秀子
■ (16:00-) 「続・音楽の言葉で読み解くシューベルト《冬の旅》」(第19回例会の続き) 島岡譲
※ 今後の活動予定 (会場はすべて「国立音楽大学AI(アイ)スタジオ」、参加費 ¥2000/学生¥1000)
★ 第21回例会(10周年) 2012年10月7日(日) 13:30-17:40
川崎瑞穂 「洋楽渡来と野生の思考(パンセ・ソバージュ) ―洋楽流入期における民俗的思考に関する構造人類学的研究―」
川本聡胤 「プログレッシヴ・ロックの研究 ~ELP《タルカス》の分析~」
☆ 第11回東京例会 2012年12月16日(日) 12:30-17:40 ベートーヴェン特集
■ (12:30-) 「単純な和声に支えられた単純な動機から作りだす壮大な展開(ドラマ)」 大野聡
■ (15:00-) 「ベートーヴェンの新しい道」 佐野光司
☆ 第12回東京例会 2013年3月24日(日) 13:30-17:30
「続・シューベルト『冬の旅』の裏物語--冥界のヘルメス」 浅田秀子
Tokyo branch of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会東京支部 (見上潤 Mikami Jun)
ブログ: The Society For Music Theory Of Japan, Tokyo http://smtjt.blogspot.com/
ホームページ: http://www.geocities.jp/dolcecanto2003jp/SMTJ/index.htm
Secretariat of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会事務局(本部)
ホームページ:http://sound.jp/mtsj/
〒870-0833 大分市上野丘東1-11 大分県立芸術文化短期大学音楽科 小川研究室気付
TEL &FAX 097-545-4429
Email: ogawa@oita-pjc.ac.jp
本部facebook: http://www.facebook.com/groups/205456326182727/
The Society For Music Theory Of Japan, Tokyo
2012年4月13日金曜日
第20回例会発表概要 浅田秀子
2012年5月13日(日)に行なわれる日本音楽理論研究会第20回例会の発表概要、浅田秀子さんの発表の紹介です。
【タイトル】「シューベルト『冬の旅』の裏物語--冥界のヘルメス」
【概要】ヴィルヘルム・ミュラー作詩、フランツ・シューベルト作曲の歌曲集「冬の旅」は、これまで詩の内容が暗くて変化に乏しく、意味不明の言葉や表現があって「難解」と思われており、解釈者によってさまざまな憶測や自由連想を生む原因となってきた。
しかし、この「難解」な原詩は、実は表面上の単調で月並みな物語の裏に、発音の類似した語句を掛詞ないし地口のように使って、まったく別の物語を隠していたのである。裏物語のためにその発音の語を使わなければならないという制約から、意味的に不自然だったり押韻の規則を破ったりせざるを得なかったわけで、ミュラーが3流詩人だからいい加減な詩しか書けなかったという批判は不当そのものである。
その隠された裏物語とは、ギリシャ神話世界である。主人公は旅・交易・盗みの神ヘルメスで、冥界の王ハーデスに誘拐されて女王となっているペルセポネに冥界へ求婚しに行き、一度は連れ帰ることができたが、結局去勢され重傷を負って、オリュンポス3大神に見取られながら死んでしまい、死後エリュシオンの野に再生すること、そしてヘルメスのより古い神話での神プリアポスとヘルメー像の中で合体するという、神話世界の歴史を往還する壮大のスケールのスペクタキュラーな物語である。
今回の発表では、まずタイトルがなぜ「冬の旅」なのか、という点から出発する。ミュラーの詩の下敷きとなったウーラント作詩、クロイツァー作曲の「9つのさすらいのうた」を紹介するとともに、この第8曲から本歌取りされて「冬の旅」ができていること、ウーラントの詩自体もギリシャ神話に基づいていることを説明する。
次に、「冬の旅」に関連の深いギリシャ神話を資料とともに紹介し、予備知識を得たところで、第1曲から順に「冬の旅」の裏物語を、時間の許すかぎりたどっていくことになる。
内容は主に原詩についての解釈で、シューベルトの改変や作曲にもヒントをもらいながら、ミュラーの表そうとした詩世界の玄妙さを受講者の方にもぜひ味わっていただきたいと思う。
【担当】日本語コスモス代表、日本大学非常勤講師 浅田秀子(辞書編集者、日本語研究者、日本語教師、メゾ・ソプラノ歌手)
【タイトル】「シューベルト『冬の旅』の裏物語--冥界のヘルメス」
【概要】ヴィルヘルム・ミュラー作詩、フランツ・シューベルト作曲の歌曲集「冬の旅」は、これまで詩の内容が暗くて変化に乏しく、意味不明の言葉や表現があって「難解」と思われており、解釈者によってさまざまな憶測や自由連想を生む原因となってきた。
しかし、この「難解」な原詩は、実は表面上の単調で月並みな物語の裏に、発音の類似した語句を掛詞ないし地口のように使って、まったく別の物語を隠していたのである。裏物語のためにその発音の語を使わなければならないという制約から、意味的に不自然だったり押韻の規則を破ったりせざるを得なかったわけで、ミュラーが3流詩人だからいい加減な詩しか書けなかったという批判は不当そのものである。
その隠された裏物語とは、ギリシャ神話世界である。主人公は旅・交易・盗みの神ヘルメスで、冥界の王ハーデスに誘拐されて女王となっているペルセポネに冥界へ求婚しに行き、一度は連れ帰ることができたが、結局去勢され重傷を負って、オリュンポス3大神に見取られながら死んでしまい、死後エリュシオンの野に再生すること、そしてヘルメスのより古い神話での神プリアポスとヘルメー像の中で合体するという、神話世界の歴史を往還する壮大のスケールのスペクタキュラーな物語である。
今回の発表では、まずタイトルがなぜ「冬の旅」なのか、という点から出発する。ミュラーの詩の下敷きとなったウーラント作詩、クロイツァー作曲の「9つのさすらいのうた」を紹介するとともに、この第8曲から本歌取りされて「冬の旅」ができていること、ウーラントの詩自体もギリシャ神話に基づいていることを説明する。
次に、「冬の旅」に関連の深いギリシャ神話を資料とともに紹介し、予備知識を得たところで、第1曲から順に「冬の旅」の裏物語を、時間の許すかぎりたどっていくことになる。
内容は主に原詩についての解釈で、シューベルトの改変や作曲にもヒントをもらいながら、ミュラーの表そうとした詩世界の玄妙さを受講者の方にもぜひ味わっていただきたいと思う。
【担当】日本語コスモス代表、日本大学非常勤講師 浅田秀子(辞書編集者、日本語研究者、日本語教師、メゾ・ソプラノ歌手)
2012年3月2日金曜日
日本音楽理論研究会第10回東京例会(3月25日)開催のお知らせ
Announcements
The 10th meeting of SMTJ Tokyo branch
25. March 2012
関係者各位
みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
ショパン、ドビュッシー、ベルクを分析する第10回東京例会のお知らせです。
今回は、「ピアノ演奏法とアナリーゼ」、「近代和声の徹底調性分析」、「無調作品のアナリーゼ」の3つテーマです。
みなさまの奮ってのご参加をお待ちしております。
なお、当日資料準備のため、ご出席の場合はご一報いただければありがたく存じます。
また研究会終了後、午後6時より「シュベール国立店」にて懇親会を予定しています。こちらへも奮ってご参加ください。
★★★ 日本音楽理論研究会第10回東京例会のお知らせ ★★★
日時: 2012年3月25日(日)12:30-17:40
会場: 国立音楽大学AI(アイ)スタジオ (JR国立駅南口下車、国立音楽大学付属幼稚園地下)
〒186-0004 東京都国立市中1-8-25 TEL: 042-573-5633
参加費: 一般¥2000/学生¥1000
■ (12:30-) 「続・ピアノの性能と演奏時の身体性を考慮した音楽分析――ショパン《練習曲集》作品10-1 C-dur、及び作品 25-12 c-mollの理想的な演奏再構築のために――」 横山聡
■ (14:15-) 「Debussyの音楽に見るぼかしの技法」(前奏曲集第2巻「花火」の分析) 福田由紀子
■ (16:00-) 「楽曲分析:アルバン・ベルク《抒情組曲》から第Ⅵ楽章(声楽版)――象徴・音列の観点を中心に――」 今野哲也
演奏: ソプラノ独唱: 小川えみ ピアノ: 見上潤
※ 各発表80分、質疑応答10分
***********************************************************
※ 今後の活動予定 (会場はすべて「国立音楽大学AI(アイ)スタジオ」、参加費 ¥2000/学生¥1000)
★ 第20回例会
2012年5月13日(日) 10:30-17:40
――続・詩と音楽から読み解くシューベルト《冬の旅》――
■ (10:30-) 特別演奏: Schubert 《Winterreise》 ソプラノ独唱: 小川えみ ピアノ: 見上潤
■ (13:30-) 「シューベルト『冬の旅』の裏物語--冥界のヘルメス」 浅田秀子
■ (16:00-) 「続・音楽の言葉で読み解くシューベルト《冬の旅》」(第19回例会の続き) 島岡譲
★ 第21回例会(10周年)
2012年10月7日(日) 内容未定
☆ 第11回東京例会
2012年12月16日(日) 12:30-17:40 ベートーヴェン特集
■ (12:30-) 「単純な和声に支えられた単純な動機から作りだす壮大な展開(ドラマ)」 大野聡
■ (15:00-) 「ベートーヴェンの新しい道」 佐野光司
☆ 第12回東京例会
2013年3月予定
Tokyo branch of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会東京支部 (見上潤 Mikami Jun)
ブログ: The Society For Music Theory Of Japan, Tokyo http://smtjt.blogspot.com/
ホームページ: http://www.geocities.jp/dolcecanto2003jp/SMTJ/index.htm
Secretariat of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会事務局(本部)
ホームページ:http://sound.jp/mtsj/
〒870-0833 大分市上野丘東1-11 大分県立芸術文化短期大学音楽科 小川研究室気付
TEL &FAX 097-545-4429
Email: ogawa@oita-pjc.ac.jp
本部facebook: http://www.facebook.com/groups/205456326182727/
The 10th meeting of SMTJ Tokyo branch
25. March 2012
関係者各位
みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
ショパン、ドビュッシー、ベルクを分析する第10回東京例会のお知らせです。
今回は、「ピアノ演奏法とアナリーゼ」、「近代和声の徹底調性分析」、「無調作品のアナリーゼ」の3つテーマです。
みなさまの奮ってのご参加をお待ちしております。
なお、当日資料準備のため、ご出席の場合はご一報いただければありがたく存じます。
また研究会終了後、午後6時より「シュベール国立店」にて懇親会を予定しています。こちらへも奮ってご参加ください。
★★★ 日本音楽理論研究会第10回東京例会のお知らせ ★★★
日時: 2012年3月25日(日)12:30-17:40
会場: 国立音楽大学AI(アイ)スタジオ (JR国立駅南口下車、国立音楽大学付属幼稚園地下)
〒186-0004 東京都国立市中1-8-25 TEL: 042-573-5633
参加費: 一般¥2000/学生¥1000
■ (12:30-) 「続・ピアノの性能と演奏時の身体性を考慮した音楽分析――ショパン《練習曲集》作品10-1 C-dur、及び作品 25-12 c-mollの理想的な演奏再構築のために――」 横山聡
■ (14:15-) 「Debussyの音楽に見るぼかしの技法」(前奏曲集第2巻「花火」の分析) 福田由紀子
■ (16:00-) 「楽曲分析:アルバン・ベルク《抒情組曲》から第Ⅵ楽章(声楽版)――象徴・音列の観点を中心に――」 今野哲也
演奏: ソプラノ独唱: 小川えみ ピアノ: 見上潤
※ 各発表80分、質疑応答10分
***********************************************************
※ 今後の活動予定 (会場はすべて「国立音楽大学AI(アイ)スタジオ」、参加費 ¥2000/学生¥1000)
★ 第20回例会
2012年5月13日(日) 10:30-17:40
――続・詩と音楽から読み解くシューベルト《冬の旅》――
■ (10:30-) 特別演奏: Schubert 《Winterreise》 ソプラノ独唱: 小川えみ ピアノ: 見上潤
■ (13:30-) 「シューベルト『冬の旅』の裏物語--冥界のヘルメス」 浅田秀子
■ (16:00-) 「続・音楽の言葉で読み解くシューベルト《冬の旅》」(第19回例会の続き) 島岡譲
★ 第21回例会(10周年)
2012年10月7日(日) 内容未定
☆ 第11回東京例会
2012年12月16日(日) 12:30-17:40 ベートーヴェン特集
■ (12:30-) 「単純な和声に支えられた単純な動機から作りだす壮大な展開(ドラマ)」 大野聡
■ (15:00-) 「ベートーヴェンの新しい道」 佐野光司
☆ 第12回東京例会
2013年3月予定
Tokyo branch of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会東京支部 (見上潤 Mikami Jun)
ブログ: The Society For Music Theory Of Japan, Tokyo http://smtjt.blogspot.com/
ホームページ: http://www.geocities.jp/dolcecanto2003jp/SMTJ/index.htm
Secretariat of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会事務局(本部)
ホームページ:http://sound.jp/mtsj/
〒870-0833 大分市上野丘東1-11 大分県立芸術文化短期大学音楽科 小川研究室気付
TEL &FAX 097-545-4429
Email: ogawa@oita-pjc.ac.jp
本部facebook: http://www.facebook.com/groups/205456326182727/
2012年2月20日月曜日
第10回東京例会発表概要 今野哲也
2012年3月25日(日)に行なわれる日本音楽理論研究会第10回東京例会の発表概要第2弾、今野哲也さんの発表の紹介です。
楽曲分析:アルバン・ベルク《抒情組曲》から第Ⅵ楽章(声楽版)――象徴・音列の観点を中心に―― 今野哲也
アルバン・ベルク(Alban Berg 1885-1935)の死後、妻ヘレーネ(Helene Berg 1885-1976)によって、彼の遺稿はオーストリア国立図書館(Österreichische Nationalbibliothek)に寄贈された。その資料に基づくパール(George Perle 1915-2009)らの研究によって、《抒情組曲 Lyrische Suite》(1925-6)は生涯人目を忍びながら愛し合ったハンナ・フックス夫人(Hanna Fuchs-Robettin 1896-1964)のために作曲された作品で、特にその第Ⅵ楽章には「歌」が隠されていた事が明らかにされた。歌詞は、ボードレール(Charles Baudelaire 1821-1867)の『悪の華Les fleurs du mal』の「憂愁と理想Spleen et Idéal」から「深淵より叫ぶDe profundis clamavi」が選ばれているが、実際にテクストとして用いられているのは、フランス語の原詩ではなく、ゲオルゲ(Stefan George 1868-1933)によるドイツ語訳である。ゲオルゲは『悪の華』第三版(1868)を底本とし、1891年には私家版として、いくつかの訳詩を世に出しているが、個別の作品の翻訳年は不明とされている。しかし、こうした事が明らかにされた現在においても、作曲者にそれを公表する意志が無かった事もあり、一般には、声楽付きの第Ⅵ楽章(以下、たんに第Ⅵ楽章)が正当な作品として位置付けが成されているとは言い難い。しかし本発表では、敢えて第Ⅵ楽章を取り上げ、歌詞も手掛かりとしながら、音楽理論の観点から楽曲分析を行う事を目的とする。
《抒情組曲》で用いられる象徴や引用については、さまざまな先行研究でも指摘されている。例えば、ベルクの頭文字[A]lban [B]ergとハンナの頭文字[H]anna [F]uchsは重要であるし、数字の象徴(ベルクは“23”、ハンナは“10”)はテンポ数や小節数にも用いられる。ヴァーグナー(Richard Wagner 1813-83)《トリスタンとイゾルデ Tristan und Isolde》(1857-59)からの引用も印象的である。また、音楽的な観点から幾つか特徴を挙げるならば、①音列の恣意的な使用、②(広義の意味の)無調性と調性の要素との極端な対比などであろう。たとえば、第Ⅵ楽章は12音技法で書かれているが、音列を柔軟に扱う事によって、ひびきを操作しようとする意図も見出される。ベルクの手稿を基に作成した音列分析を示し考察を進める。
ところで、第Ⅵ楽章の和音や和声について考察を始めると、「無調性や音列技法による作品に和声の概念が成り立ち得るか」という、困難な問題に直面せざるを得ない。ヒンデミット(Paul Hindemith 1895-1963)を始め、パーシケッティ(Vincent Persichetti 1915-1987)、あるいはフォート(Allen Forte 1926-)といった古今の作曲家・理論家の著作では非常に興味深い試みが展開されているが、全てにおいて成功しているとは言い難い。本発表では、この点についても問題提起を試みる。
楽曲分析:アルバン・ベルク《抒情組曲》から第Ⅵ楽章(声楽版)――象徴・音列の観点を中心に―― 今野哲也
アルバン・ベルク(Alban Berg 1885-1935)の死後、妻ヘレーネ(Helene Berg 1885-1976)によって、彼の遺稿はオーストリア国立図書館(Österreichische Nationalbibliothek)に寄贈された。その資料に基づくパール(George Perle 1915-2009)らの研究によって、《抒情組曲 Lyrische Suite》(1925-6)は生涯人目を忍びながら愛し合ったハンナ・フックス夫人(Hanna Fuchs-Robettin 1896-1964)のために作曲された作品で、特にその第Ⅵ楽章には「歌」が隠されていた事が明らかにされた。歌詞は、ボードレール(Charles Baudelaire 1821-1867)の『悪の華Les fleurs du mal』の「憂愁と理想Spleen et Idéal」から「深淵より叫ぶDe profundis clamavi」が選ばれているが、実際にテクストとして用いられているのは、フランス語の原詩ではなく、ゲオルゲ(Stefan George 1868-1933)によるドイツ語訳である。ゲオルゲは『悪の華』第三版(1868)を底本とし、1891年には私家版として、いくつかの訳詩を世に出しているが、個別の作品の翻訳年は不明とされている。しかし、こうした事が明らかにされた現在においても、作曲者にそれを公表する意志が無かった事もあり、一般には、声楽付きの第Ⅵ楽章(以下、たんに第Ⅵ楽章)が正当な作品として位置付けが成されているとは言い難い。しかし本発表では、敢えて第Ⅵ楽章を取り上げ、歌詞も手掛かりとしながら、音楽理論の観点から楽曲分析を行う事を目的とする。
《抒情組曲》で用いられる象徴や引用については、さまざまな先行研究でも指摘されている。例えば、ベルクの頭文字[A]lban [B]ergとハンナの頭文字[H]anna [F]uchsは重要であるし、数字の象徴(ベルクは“23”、ハンナは“10”)はテンポ数や小節数にも用いられる。ヴァーグナー(Richard Wagner 1813-83)《トリスタンとイゾルデ Tristan und Isolde》(1857-59)からの引用も印象的である。また、音楽的な観点から幾つか特徴を挙げるならば、①音列の恣意的な使用、②(広義の意味の)無調性と調性の要素との極端な対比などであろう。たとえば、第Ⅵ楽章は12音技法で書かれているが、音列を柔軟に扱う事によって、ひびきを操作しようとする意図も見出される。ベルクの手稿を基に作成した音列分析を示し考察を進める。
ところで、第Ⅵ楽章の和音や和声について考察を始めると、「無調性や音列技法による作品に和声の概念が成り立ち得るか」という、困難な問題に直面せざるを得ない。ヒンデミット(Paul Hindemith 1895-1963)を始め、パーシケッティ(Vincent Persichetti 1915-1987)、あるいはフォート(Allen Forte 1926-)といった古今の作曲家・理論家の著作では非常に興味深い試みが展開されているが、全てにおいて成功しているとは言い難い。本発表では、この点についても問題提起を試みる。
2012年1月15日日曜日
第10回東京例会発表概要 福田由紀子
2012年3月25日(日)に行なわれる日本音楽理論研究会第10回東京例会の発表概要第1弾、福田由紀子さんの発表の紹介です。
「Debussyの音楽に見るぼかしの手法」 福田由紀子
今回取り上げる印象派のDebussyの作品・前奏曲集第2巻の「花火」は、調性音楽であるが、西洋音楽で一番重要な調性をわざとぼかしている。
ここで用いる「ぼかし」という言葉は「いい加減」という意味ではなく、多義的な曖昧性という意味である。具体的には調や和音が色々に解釈できるということである。
何故ぼかすのかといえば、印象派的な雰囲気を漂わせるためである。
durやmollを主体とする古典派やロマン派には、あまり見られない3全音調、半ずれ調、複調、教会旋法や5音音階、全音音階などの手法が「ぼかし」を増幅させている。
「花火」は「F-dur、Ges-dur、es-moll、Des-dur、b-moll・・・かもしれない」という多義的な曖昧性、いわゆる「ぼかし」から始まっているため、調の特定が難しく、最後になってようやく調の正体が判明するという、一種の謎解きのような面白さも持ち合わせている曲である。
調関係はシンメトリー構造になっていて、その上に花火に関する工夫がなされている。
ほとんどがVの和音 (V9 、下変V9 、下変V7の2転 、下変V7 、上変下変V9 等などVのオンパレードである。DebussyはⅤの第5音を半音上げ下げして、平凡でないドミナントの響きを好んでいることが分かる。) で書かれていて、Ⅰは解決する和音として最後に出てくるだけである。
Vの和音は緊張感を持っているので、「花火」の打ち上がる緊張をVで表現したのではないかと考える。
このような緻密な構成力と、調性の技術を駆使して「ぼかし」が成り立っていることを「花火」の分析を通して証明していく。
「Debussyの音楽に見るぼかしの手法」 福田由紀子
今回取り上げる印象派のDebussyの作品・前奏曲集第2巻の「花火」は、調性音楽であるが、西洋音楽で一番重要な調性をわざとぼかしている。
ここで用いる「ぼかし」という言葉は「いい加減」という意味ではなく、多義的な曖昧性という意味である。具体的には調や和音が色々に解釈できるということである。
何故ぼかすのかといえば、印象派的な雰囲気を漂わせるためである。
durやmollを主体とする古典派やロマン派には、あまり見られない3全音調、半ずれ調、複調、教会旋法や5音音階、全音音階などの手法が「ぼかし」を増幅させている。
「花火」は「F-dur、Ges-dur、es-moll、Des-dur、b-moll・・・かもしれない」という多義的な曖昧性、いわゆる「ぼかし」から始まっているため、調の特定が難しく、最後になってようやく調の正体が判明するという、一種の謎解きのような面白さも持ち合わせている曲である。
調関係はシンメトリー構造になっていて、その上に花火に関する工夫がなされている。
ほとんどがVの和音 (V9 、下変V9 、下変V7の2転 、下変V7 、上変下変V9 等などVのオンパレードである。DebussyはⅤの第5音を半音上げ下げして、平凡でないドミナントの響きを好んでいることが分かる。) で書かれていて、Ⅰは解決する和音として最後に出てくるだけである。
Vの和音は緊張感を持っているので、「花火」の打ち上がる緊張をVで表現したのではないかと考える。
このような緻密な構成力と、調性の技術を駆使して「ぼかし」が成り立っていることを「花火」の分析を通して証明していく。
2011年11月27日日曜日
日本音楽理論研究会第9回東京例会(12月18日)のお知らせ
Announcements
The 9th meeting of SMTJ Tokyo branch
18. December 2011
関係者各位
暦は立冬。木の葉が色づき始め、朝晩は冷たい空気が満ちてきておりますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
メシアン《ピアノのための前奏曲集》をテーマにした第9回東京例会のお知らせです。
今回は、「よりわかりやすい原理の解明と分析法」、「近代和声と調性理論の関係」、「画家によるメシアン共感覚の目に見える化」、
以上の3つ側面から一つの作品に取り組む画期的な試みです。
みなさまの奮ってのご参加をお待ちしております。
★★★ 日本音楽理論研究会第9回東京例会のお知らせ ★★★
日時: 2011年12月18日(日)12:30-17:40
会場: 国立音楽大学AI(アイ)スタジオ (JR国立駅南口下車、国立音楽大学付属幼稚園地下)
〒186-0004 東京都国立市中1-8-25 TEL: 042-573-5633
参加費: 一般¥2000/学生¥1000
チーム発表: メシアン《ピアノのための前奏曲集》(1928-29)の作曲技法に迫る
――移調の限られた旋法・近代和声への島岡ゆれ理論の応用・メシアンの色彩構成――
■ 「今日からあなたも”移調の限られた旋法”の達人! ――楽典から始めるメシアンM.T.L.攻略法伝授――」 見上潤
■ 「初期メシアンにおける調性拡張技法の解明 ――《ピアノのための前奏曲集》のアナリーゼ――」 赤坂樹里亜
■ 「メシアン《ピアノのための前奏曲集》の色彩構成 ――メシアン共感覚の視覚的リアリゼーション――」 西山タカスケ
※ 当日資料準備のため、参加されるかたはご一報いただければありがたく存じます。
※ 研究会終了後、午後6時より「シュベール国立店」にて懇親会を予定しています。こちらへも奮ってご参加を!
★★★ 今後の活動予定 (会場はすべて「国立音楽大学AI(アイ)スタジオ」、参加費 ¥2000/学生¥1000) ★★★
☆ 日本音楽理論研究会第10回東京例会
2012年3月25日(日) 12:30-17:40
■ 「続・ピアノの性能と演奏時の身体性を考慮した音楽分析
――ショパン《練習曲集》作品10-1 C-dur、及び作品 25-12 c-mollの理想的な演奏再構築のために――」 横山聡
■ 「Debussyの音楽に見るぼかしの技法」(前奏曲集第2巻「花火」の分析) 福田由紀子
■ 「ベルク《叙情組曲》の分析」 今野哲也
★ 日本音楽理論研究会第20回例会
2012年5月13日(日) 13:30-17:40
――続・詩と音楽から読み解くシューベルト《冬の旅》――
■ 「タイトル未定」 浅田秀子
■ 「音楽の言葉で読み解くシューベルト《冬の旅》」(第19回例会の続き) 島岡譲
★ 日本音楽理論研究会第21回例会(10周年記念)
2012年10月7日(日) 内容未定
☆ 日本音楽理論研究会第11回東京例会
2012年12月16日(日) 内容未定
※ 『「ベルク《アルテンベルク歌曲集》(1912)全曲の楽曲分析」 ガチンコ対決 今野哲也vs.見上潤』は発表者都合で延期されました。(日程未定)
Tokyo branch of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会東京支部 (見上潤 Mikami Jun)
ホームページ: http://www.geocities.jp/dolcecanto2003jp/SMTJ/index.htm
メシアン・チームfacebook: http://www.facebook.com/event.php?eid=115091208573423
Secretariat of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会事務局(本部)
ホームページ:http://sound.jp/mtsj/
〒870-0833 大分市上野丘東1-11 大分県立芸術文化短期大学音楽科 小川研究室気付
TEL &FAX 097-545-4429
Email: ogawa@oita-pjc.ac.jp
本部facebook: http://www.facebook.com/groups/205456326182727/
The 9th meeting of SMTJ Tokyo branch
18. December 2011
関係者各位
暦は立冬。木の葉が色づき始め、朝晩は冷たい空気が満ちてきておりますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
メシアン《ピアノのための前奏曲集》をテーマにした第9回東京例会のお知らせです。
今回は、「よりわかりやすい原理の解明と分析法」、「近代和声と調性理論の関係」、「画家によるメシアン共感覚の目に見える化」、
以上の3つ側面から一つの作品に取り組む画期的な試みです。
みなさまの奮ってのご参加をお待ちしております。
★★★ 日本音楽理論研究会第9回東京例会のお知らせ ★★★
日時: 2011年12月18日(日)12:30-17:40
会場: 国立音楽大学AI(アイ)スタジオ (JR国立駅南口下車、国立音楽大学付属幼稚園地下)
〒186-0004 東京都国立市中1-8-25 TEL: 042-573-5633
参加費: 一般¥2000/学生¥1000
チーム発表: メシアン《ピアノのための前奏曲集》(1928-29)の作曲技法に迫る
――移調の限られた旋法・近代和声への島岡ゆれ理論の応用・メシアンの色彩構成――
■ 「今日からあなたも”移調の限られた旋法”の達人! ――楽典から始めるメシアンM.T.L.攻略法伝授――」 見上潤
■ 「初期メシアンにおける調性拡張技法の解明 ――《ピアノのための前奏曲集》のアナリーゼ――」 赤坂樹里亜
■ 「メシアン《ピアノのための前奏曲集》の色彩構成 ――メシアン共感覚の視覚的リアリゼーション――」 西山タカスケ
※ 当日資料準備のため、参加されるかたはご一報いただければありがたく存じます。
※ 研究会終了後、午後6時より「シュベール国立店」にて懇親会を予定しています。こちらへも奮ってご参加を!
★★★ 今後の活動予定 (会場はすべて「国立音楽大学AI(アイ)スタジオ」、参加費 ¥2000/学生¥1000) ★★★
☆ 日本音楽理論研究会第10回東京例会
2012年3月25日(日) 12:30-17:40
■ 「続・ピアノの性能と演奏時の身体性を考慮した音楽分析
――ショパン《練習曲集》作品10-1 C-dur、及び作品 25-12 c-mollの理想的な演奏再構築のために――」 横山聡
■ 「Debussyの音楽に見るぼかしの技法」(前奏曲集第2巻「花火」の分析) 福田由紀子
■ 「ベルク《叙情組曲》の分析」 今野哲也
★ 日本音楽理論研究会第20回例会
2012年5月13日(日) 13:30-17:40
――続・詩と音楽から読み解くシューベルト《冬の旅》――
■ 「タイトル未定」 浅田秀子
■ 「音楽の言葉で読み解くシューベルト《冬の旅》」(第19回例会の続き) 島岡譲
★ 日本音楽理論研究会第21回例会(10周年記念)
2012年10月7日(日) 内容未定
☆ 日本音楽理論研究会第11回東京例会
2012年12月16日(日) 内容未定
※ 『「ベルク《アルテンベルク歌曲集》(1912)全曲の楽曲分析」 ガチンコ対決 今野哲也vs.見上潤』は発表者都合で延期されました。(日程未定)
Tokyo branch of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会東京支部 (見上潤 Mikami Jun)
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日本音楽理論研究会事務局(本部)
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〒870-0833 大分市上野丘東1-11 大分県立芸術文化短期大学音楽科 小川研究室気付
TEL &FAX 097-545-4429
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2011年5月8日日曜日
日本音楽理論研究会第18回例会発表概要
統一テーマ 「J.S.バッハの作曲技法とその近代音楽への射程」
1. 「バッハの平均律第2巻23番のフ-ガにおける対位法技法と和声」 小河原美子
(12:30-13:40)
バッハというと対位法の大家というイメ-ジが強いが、今回はその複雑な対位法を支え、その音楽を魅力的なものにしている和声にも注目してフ-ガの分析をしてみたい。
今回取り上げる23番のフ-ガにおいては主題(主唱)に対して2種類の対位(対唱)が用いられている。第1の対位は主要呈示部において用いられるのみであるが、その後現れる第2の対位は12度の転回可能対位法を用いて、主題の和声をパッサカリアのように様々に変化させてゆく。まずフ-ガ全体を分析して、その後主題に対する和声付けをていねいに見てみたい。
また以前、東京例会において岡崎登代子氏によって分析された同じく2巻の16番のフ-ガも主題の呈示のみを取りだし、その色彩豊かな和声を分析してみたい。
2. 「バッハの作品にみられるソナタ形式の萌芽」 大野聡 (13:40-15:20)
バッハの音楽はバロック様式の楽曲であり、古典派のソナタ形式が確立される以前の音楽である。それらは(曲ごとに異なる)多種多様な形式があり、楽曲構造の形態に(古典派のような)一般的な規定を与えることはできない。しかし調性音楽であり、調性構造の力性にもとづいて楽曲が構成されるのは古典派と同様である。
そのため調性構造のプロセスに共通性も見いだされる。さらに、楽曲の構成のさまざまな可能性が(曲ごとに)探索されていく中で、次の時代(古典派)にソナタ形式のパターンとして収斂されていく要素が見受けられるようになる。
今回は主に『平均律クラヴィーア曲集第2集』の『前奏曲』の『第5番D dur』『第11番F dur』『第12番f moll』『第13番Fis dur』『第18番gis moll』『第19番A dur』『第21番B dur』の中から、古典派のソナタ形式につながるような特徴をあげていきたい。
3. 報告「音楽アーカイブ設立のお知らせ」 宮川直己 (15:40-15:50)
「音楽アーカイブ」というと日本ではなじみの薄い言葉だが、実はこれから先の音楽状況を考えて行く上で欠かせないものである。ますます音楽活動が広範囲に拡大して各々個人が目指したい方向が多様また深化されていくなか、その志向の突破口のツールとして将来的に必要な施設なのである。たとえばあるアリアの楽譜だけがほしいがその楽譜はヴォーカルスコアーからでなければ見つけられない場合、ヴォーカルスコアーからその部分だけ取り出して提供および貸出し、そのアリアの周辺部分の原語によるオリジナル台本や、そのオペラ全般、あるいはアリアについての音楽的、演劇的概要などを付加して情報提供する。図書館学で言うレファレンスの方法を拡大し、利用者の潜在的情報要求を掘り起こしながら資料探索手段の可能性を広めるためのインフラを整備することがこの今回の「音楽アーカイブ」設立の趣旨となっている。音楽情報のインフラ整備という活動が果たしてどれだけ社会性を持った生産基盤となりえるのか、利用者がどれほど見込めるのか、このような問題を調査しつつ、公共的性格を持ちながら民間事業として多くの方々へ音楽探究の機会を容易に提供できることを追求していきたい。(東京Naochivio音楽研究所)
4.「『ゆれの理論』から見たDebussy音楽の分析」 福田由紀子 (15:50-17:30)
一昔前は、一般的に、フランス近代音楽は調性音楽から逸脱しているとみなされて、調性分析は出来ないとされていた。
しかし、島岡 譲先生の「ゆれが和声を生み出す」という考えに基づく、『ゆれの理論』を用いることで、今現在では、分析が可能である。ゆれとは、緊張―弛緩の関係であり、解決進行はゆれの本質である。
従来の「和声」観は、和音の根音関係が和声のルールである、とされてきた。ゆえに弱進行などと言われタブー視されていたものもあるが、ゆれから見ると、弱進行も強進行もないという考え方になる。一般にはⅤ→Ⅳの進行は弱進行と言われているが、本当の意味は、倚和音によるⅤ→Ⅰの解決延引であり、Debussy だから使っていたのではなくMozartも使っていた(亜麻色の髪の乙女で記述)ことは驚きである。ゆれという視点から分析すると、今まで説明がつかなかった和音や根音関係も、全て説明可能になる。
この『ゆれの理論』を用いて、Debussyの前奏曲第1巻から、「デルフィの舞姫」、「亜麻色の髪の乙女」、「沈める寺」を分析し、Debussyの音楽も調性音楽であることを証明する。
調性音楽と言われる音楽は、バロック音楽もフランス近代音楽も、作りは同じである。
Debussyの音楽は、単に調性音楽と云うにとどまらず、Bachの音楽とも密接な関連があるといえる。
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