2011年11月27日日曜日

日本音楽理論研究会第9回東京例会(12月18日)のお知らせ

Announcements
The 9th meeting of SMTJ Tokyo branch
18. December 2011
関係者各位
暦は立冬。木の葉が色づき始め、朝晩は冷たい空気が満ちてきておりますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
メシアン《ピアノのための前奏曲集》をテーマにした第9回東京例会のお知らせです。
今回は、「よりわかりやすい原理の解明と分析法」、「近代和声と調性理論の関係」、「画家によるメシアン共感覚の目に見える化」、
以上の3つ側面から一つの作品に取り組む画期的な試みです。
みなさまの奮ってのご参加をお待ちしております。

★★★ 日本音楽理論研究会第9回東京例会のお知らせ ★★★
日時: 2011年12月18日(日)12:30-17:40
会場: 国立音楽大学AI(アイ)スタジオ (JR国立駅南口下車、国立音楽大学付属幼稚園地下) 
〒186-0004 東京都国立市中1-8-25 TEL: 042-573-5633
参加費: 一般¥2000/学生¥1000

チーム発表: メシアン《ピアノのための前奏曲集》(1928-29)の作曲技法に迫る 
――移調の限られた旋法・近代和声への島岡ゆれ理論の応用・メシアンの色彩構成――
■ 「今日からあなたも”移調の限られた旋法”の達人! ――楽典から始めるメシアンM.T.L.攻略法伝授――」 見上潤
■ 「初期メシアンにおける調性拡張技法の解明 ――《ピアノのための前奏曲集》のアナリーゼ――」 赤坂樹里亜
■ 「メシアン《ピアノのための前奏曲集》の色彩構成 ――メシアン共感覚の視覚的リアリゼーション――」 西山タカスケ
※ 当日資料準備のため、参加されるかたはご一報いただければありがたく存じます。
※ 研究会終了後、午後6時より「シュベール国立店」にて懇親会を予定しています。こちらへも奮ってご参加を!

★★★ 今後の活動予定 (会場はすべて「国立音楽大学AI(アイ)スタジオ」、参加費 ¥2000/学生¥1000) ★★★
☆ 日本音楽理論研究会第10回東京例会
2012年3月25日(日) 12:30-17:40
■ 「続・ピアノの性能と演奏時の身体性を考慮した音楽分析
――ショパン《練習曲集》作品10-1 C-dur、及び作品 25-12 c-mollの理想的な演奏再構築のために――」 横山聡
■ 「Debussyの音楽に見るぼかしの技法」(前奏曲集第2巻「花火」の分析) 福田由紀子
■ 「ベルク《叙情組曲》の分析」 今野哲也
★ 日本音楽理論研究会第20回例会
2012年5月13日(日) 13:30-17:40
――続・詩と音楽から読み解くシューベルト《冬の旅》――
■ 「タイトル未定」 浅田秀子
■ 「音楽の言葉で読み解くシューベルト《冬の旅》」(第19回例会の続き) 島岡譲
★ 日本音楽理論研究会第21回例会(10周年記念)
2012年10月7日(日) 内容未定
☆ 日本音楽理論研究会第11回東京例会
2012年12月16日(日) 内容未定

※ 『「ベルク《アルテンベルク歌曲集》(1912)全曲の楽曲分析」 ガチンコ対決 今野哲也vs.見上潤』は発表者都合で延期されました。(日程未定) 

Tokyo branch of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会東京支部 (見上潤 Mikami Jun)
ホームページ: http://www.geocities.jp/dolcecanto2003jp/SMTJ/index.htm 
メシアン・チームfacebook: http://www.facebook.com/event.php?eid=115091208573423

Secretariat of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会事務局(本部)
ホームページ:http://sound.jp/mtsj/
〒870-0833 大分市上野丘東1-11 大分県立芸術文化短期大学音楽科 小川研究室気付 
TEL &FAX 097-545-4429
Email: ogawa@oita-pjc.ac.jp
本部facebook: http://www.facebook.com/groups/205456326182727/

2011年5月8日日曜日

日本音楽理論研究会第18回例会発表概要

統一テーマ 「J.S.バッハの作曲技法とその近代音楽への射程」

1. 「バッハの平均律第223番のフ-ガにおける対位法技法と和声」 小河原美子 
1230-1340
バッハというと対位法の大家というイメ-ジが強いが、今回はその複雑な対位法を支え、その音楽を魅力的なものにしている和声にも注目してフ-ガの分析をしてみたい。
今回取り上げる23番のフ-ガにおいては主題(主唱)に対して2種類の対位(対唱)が用いられている。第1の対位は主要呈示部において用いられるのみであるが、その後現れる第2の対位は12度の転回可能対位法を用いて、主題の和声をパッサカリアのように様々に変化させてゆく。まずフ-ガ全体を分析して、その後主題に対する和声付けをていねいに見てみたい。
また以前、東京例会において岡崎登代子氏によって分析された同じく2巻の16番のフ-ガも主題の呈示のみを取りだし、その色彩豊かな和声を分析してみたい。

2. 「バッハの作品にみられるソナタ形式の萌芽」 大野聡 (1340-1520
バッハの音楽はバロック様式の楽曲であり、古典派のソナタ形式が確立される以前の音楽である。それらは(曲ごとに異なる)多種多様な形式があり、楽曲構造の形態に(古典派のような)一般的な規定を与えることはできない。しかし調性音楽であり、調性構造の力性にもとづいて楽曲が構成されるのは古典派と同様である。
そのため調性構造のプロセスに共通性も見いだされる。さらに、楽曲の構成のさまざまな可能性が(曲ごとに)探索されていく中で、次の時代(古典派)にソナタ形式のパターンとして収斂されていく要素が見受けられるようになる。
今回は主に『平均律クラヴィーア曲集第2集』の『前奏曲』の『第5番D dur』『第11番F dur』『第12番f moll』『第13Fis dur』『第18gis moll』『第19番A dur』『第21番B dur』の中から、古典派のソナタ形式につながるような特徴をあげていきたい。

3. 報告「音楽アーカイブ設立のお知らせ」 宮川直己 (1540-1550
「音楽アーカイブ」というと日本ではなじみの薄い言葉だが、実はこれから先の音楽状況を考えて行く上で欠かせないものである。ますます音楽活動が広範囲に拡大して各々個人が目指したい方向が多様また深化されていくなか、その志向の突破口のツールとして将来的に必要な施設なのである。たとえばあるアリアの楽譜だけがほしいがその楽譜はヴォーカルスコアーからでなければ見つけられない場合、ヴォーカルスコアーからその部分だけ取り出して提供および貸出し、そのアリアの周辺部分の原語によるオリジナル台本や、そのオペラ全般、あるいはアリアについての音楽的、演劇的概要などを付加して情報提供する。図書館学で言うレファレンスの方法を拡大し、利用者の潜在的情報要求を掘り起こしながら資料探索手段の可能性を広めるためのインフラを整備することがこの今回の「音楽アーカイブ」設立の趣旨となっている。音楽情報のインフラ整備という活動が果たしてどれだけ社会性を持った生産基盤となりえるのか、利用者がどれほど見込めるのか、このような問題を調査しつつ、公共的性格を持ちながら民間事業として多くの方々へ音楽探究の機会を容易に提供できることを追求していきたい。(東京Naochivio音楽研究所)
 
4.「『ゆれの理論』から見たDebussy音楽の分析」 福田由紀子 (1550-1730
一昔前は、一般的に、フランス近代音楽は調性音楽から逸脱しているとみなされて、調性分析は出来ないとされていた。
しかし、島岡 譲先生の「ゆれが和声を生み出す」という考えに基づく、『ゆれの理論』を用いることで、今現在では、分析が可能である。ゆれとは、緊張―弛緩の関係であり、解決進行はゆれの本質である。
従来の「和声」観は、和音の根音関係が和声のルールである、とされてきた。ゆえに弱進行などと言われタブー視されていたものもあるが、ゆれから見ると、弱進行も強進行もないという考え方になる。一般にはⅤ→Ⅳの進行は弱進行と言われているが、本当の意味は、倚和音によるⅤ→Ⅰの解決延引であり、Debussy だから使っていたのではなくMozartも使っていた(亜麻色の髪の乙女で記述)ことは驚きである。ゆれという視点から分析すると、今まで説明がつかなかった和音や根音関係も、全て説明可能になる。
この『ゆれの理論』を用いて、Debussyの前奏曲第1巻から、「デルフィの舞姫」、「亜麻色の髪の乙女」、「沈める寺」を分析し、Debussyの音楽も調性音楽であることを証明する。
調性音楽と言われる音楽は、バロック音楽もフランス近代音楽も、作りは同じである。
Debussyの音楽は、単に調性音楽と云うにとどまらず、Bachの音楽とも密接な関連があるといえる。

2011年4月28日木曜日

日本音楽理論研究会 2011年の例会スケジュール

東北・関東大震災から1ヶ月以上経ちましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
延期された3月東京例会の発表は、5月の第18回例会と12月の第9回東京例会に振り分けて行なうことにしましたので、お知らせいたします。

★ 日本音楽理論研究会第18回例会
日時: 2011年5月15日(日)12:30-17:40
※ 注意! 開始時間が1時間早くなりました!
会場: 国立音楽大学AI(アイ)スタジオ  (JR国立駅南口下車、国立音楽大学付属幼稚園地下) 
〒186-0004 東京都国立市中1-8-25  TEL 042-573-5633
http://www.kunitachi-gakki.co.jp/shop/ai.html
参加費: ¥2000/学生¥1000
 
J.S.バッハの作曲技法とその近代音楽への射程
■ 「バッハの平均律第2巻23番のフ-ガにおける対位法技法と和声」 小河原美子 12:30-13:40
■ 「バッハの作品にみられるソナタ形式の萌芽」 大野聡 13:40-15:20
■ 報告「音楽アーカイブ設立のお知らせ」 宮川直己 15:40-15:50
■ 「『ゆれの理論』から見たDebussy音楽の分析」 福田由紀子 15:50-17:30
※ 当日資料準備のため、参加されるかたはご一報いただければありがたく存じます。
※ 研究会終了後、午後6時より「シュベール国立店」にて懇親会を予定しています。こちらへも奮ってご参加を!
http://www.shubelu.co.jp/shubelu/kunitachi.html
※ 「バッハ《音楽の捧げ物》より『6声のリチェルカーレ』(1747) のヴェーベルンによる編曲(1934)に関する考察」 見上潤 は発表者都合により延期します。 

★★★ 今後の活動 (会場はすべて「国立音楽大学AI(アイ)スタジオ」、参加費 ¥2000/学生¥1000)

★ 日本音楽理論研究会第19回例会
2011年10月2日(日)時間未定 (作品が長大なので午前・午後を検討中)
シューベルト《冬の旅》の詩と音楽(仮題)
三上かーりんvs.島岡譲

★ 日本音楽理論研究会第9回東京例会
2011年12月18日(日) 12:30-17:40
島岡ゆれ理論の多面的拡張――ピアノ演奏法と近代和声への応用――
■ 「続・ピアノの性能と演奏時の身体性を考慮した音楽分析――ショパン《練習曲集》作品10-1 C-dur、及び作品 25-12 c-mollの理想的な演奏再構築のために――」 横山聡
■ 「メシアン《ピアノのための前奏曲集》(1928-29)の分析――ゆれ理論拡張の試みと色彩構成――」 チーム発表: 赤坂樹里亜 西山タカスケ 見上潤
■ 「ベルク《アルテンベルク歌曲集》(1912)全曲の楽曲分析」 ガチンコ対決 今野哲也vs.見上潤

Secretariat of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会事務局(本部) ホームページ:http://sound.jp/mtsj/
〒870-0833 大分市上野丘東1-11 大分県立芸術文化短期大学音楽科 小川研究室気付 
TEL &FAX 097-545-4429
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ブログ: The Society For Music Theory Of Japan, Tokyo http://smtjt.blogspot.com/
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2011年3月16日水曜日

日本音楽理論研究会第9回東京例会【延期】のお知らせ

関係者各位

大変大規模な災害となっておりますが、皆様・ご家族の方々はご無事でしょうか。

今回の災害を受けて、2011年3月27日(日)に予定していました「日本音楽理論研究会第9回東京例会」の開催について思案しておりましたが、このたび、例会の延期を決定致しましたので、お知らせ申し上げます。なお延期の日程に関しましては、またメール等で案内させていただきます。

大変残念なことではありますが、このような未曾有の災害を受けてのことですので、皆様ご理解・ご了承の程よろしくお願い致します。どうぞ皆様お気をつけてお過ごしください。

日本音楽理論研究会東京支部

2011年3月1日火曜日

第9回東京例会のお知らせ(2011年3月27日)

日本音楽理論研究会東京支部からのお知らせです。
春の空気が時々混じりながらも、まだまだ寒い日が続いております。みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

日本音楽理論研究会(第9回東京例会)のご案内をさせていただきます。
今回は、「ゆれ理論」による分析を共通のものとしながら、様々な角度からショパン、ドビュッシー、メシアンのピアノ曲へのアプローチが展開されます。
みなさまの奮ってのご参加、よろしくお願いいたします。

■□ 日本音楽理論研究会第9回東京例会

日時: 2011年3月27日(日) 12:30-17:40 (受付開始 12:10)
会場: 国立音楽大学AI(アイ)スタジオ (JR国立駅南口下車、国立音楽大学付属幼稚園地下) 
〒186-0004 東京都国立市中1-8-25 TEL 042-573-5633
参加費: 一般2000円/学生1000円(学生証提示)

【プログラム】 
◆ 開会宣言(12:30-12:35) 日本音楽理論研究会会長 島岡譲
◆ 発表1 (12:35-14:15) 「メシアン《ピアノのための前奏曲集》(1928-29)第5曲の分析
――ゆれ理論拡張の試みと色彩構成――」 
赤坂樹里亜・西山タカスケ (発表90分+質疑応答10分)
◆ 休憩 (10分)
◆ 発表2 (14:25-15:35) 「続・ピアノの性能と演奏時の身体性を考慮した音楽分析 
――ショパン《練習曲集》作品10-1 C-durの理想的な演奏再構築のために――」 
横山聡(発表60分+質疑応答10分)
◆ 会からの連絡と休憩 (20分)
◆ 報告(15:55-16:00) 「音楽アーカイブ設立のお知らせ」 
宮川直己 (5分)
◆ 発表3 (16:00-17:40) 「『ゆれの理論』から見たDebussy音楽の分析」 
福田由紀子 (発表90分+質疑応答10分)

※ 当日資料準備のため、参加されるかたはご一報いただければありがたく存じます。
※ 研究会終了後、午後6時より「シュベール国立店」にて懇親会を予定しています。こちらへも奮ってご参加を!

Tokyo branch of THE SOCIETY FOR MUSIC THEORY OF JAPAN
日本音楽理論研究会東京支部(見上潤)
Email
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日本音楽理論研究会事務局(本部)
〒870-0833 大分市上野丘東1-11 大分県立芸術文化短期大学音楽科 小川研究室気付 
TEL &FAX 097-545-4429
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